永久花

ある日の日記

────





3月23日





晴れ時々曇り











今日は朝からケンカした。





別にホワイトデーのことを引きずってる訳じゃない。





プレゼント忘れたくらい、どうってことない。



それより、仕事の事話してくれなかったことが嫌だった。



一緒に悩みたかったよ。







私もカッとなって悪かったと思う。









つまらない。





全くもってつまらない。





話が出来ないことがつまらない。







オムライスもロールキャベツも



成功しても、美味しくなかった。









ごめんね。







何も言わなくても全部食べてくれて





ありがとう。











────





3月24日





晴れ









今日はお休みだけど早起きをした。





こっちゃんより早く起きてコーヒーをいれた。







お出かけしようかと声をかけたら



うなづいてくれた。





すごく嬉しかった。









こっちゃんはよく空の写真を撮る。





今日も帰りに夕焼けを撮っていた。







空を眺めてるこっちゃんを見るのが好きだ。









今日の夕飯は肉じゃが。



少しだけ手伝った。





途中、推しのリンクスティップホリックのライブ配信が始まってしまったので、二人で中断した。







次のライブは絶対一緒に行こう。







──────









 これは…、もしかして交換日記なのではないか。



 相手は、確か…。



 “こっちゃん”





 「……こ、琴乃」





 掠れた声で放った名前。

 今は亡き、かつての妻だ。













「…何で、どうしてっ」





 気が動転したように、キチッと棚に並べられていたノートをバサッバサッと、全部机に広げる。







「琴乃と一緒に、書いていたんじゃないか。ずっと、ずっと…」





 白髪の頭を掻きむしる。ポタリと涙が頬を伝った。







 項垂れながら一冊一冊手に取る。ノートの表紙にポタッポタッと涙の足跡を作る。







 次にページを捲ろうとするも、なかなかそれが出来なかった。

 忘れていた事実があまりにも悔やまれ、自分で自分を許すことが出来なかった。けれどしだいに、思い出したい、彼女の姿を、言葉を、取り戻したいという気持ちが湧き上がり、呼吸を整えながらページを捲る決意をした。

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