碧くんの好きが溢れてる④ 〜あなたが好き過ぎて寂しいんですけど〜
碧(あお)くんを見かけて、声を掛けようと後を追いかけた。女子からの呼び出しらしい。

女子は綺麗で背も高く、碧くんと釣り合いの取れたスレンダー美人。何か話している様子だ。
え、キス?キスしてるの。どういうこと?他の女子と付き合っているの?

ショック過ぎて、何も考えられない。女子は碧くんに抱きついた。私はその場から逃げた。

闇雲に走って、何かにぶつかった。大きな岩みたいに頑丈なものは人?

「可哀そうに。碧なんかやめとけ。俺にしたら」

そして気がつくと後ろに碧くんがいた。私は何故だか駿(しゅん)という男子に抱きしめられている。

「駿には関係ない。俺とアリスの問題だ」
「泣く姿を見たら放っておけない。お前みたいな女たらしに泣かされて」
「なんだって!」

私はいたたまれず、その場から結局逃げた。

涙が溢れるたびに水の中に沈んでいくみたいだ。走っているけど、バタバタ動く足は溺れて、もがいて苦しんでいるよう。それはバットエンドの人魚姫みたいだ。後は泡になって消えてしまいたい。


(碧くんの好きが溢れてる③ の投稿の続き、神地 香里で検索して読んでくれたら嬉しいな)



 走って逃げた日が遠くに感じた。あれから碧くんとは会っていない。1学期が終わり夏休みに入った。

碧くんからの電話やメールは山ほどあったが、私は出ないし、返信もしない。もう自暴自棄に陥ってしまったのだ。

当たり前だが、電話やメールを無視してたのだから、いつしか来なくなるのだった。

自分が無視してたせいで、メールすら来なくなったことに悲しさを感じていた。恋しさが募って、こんなに好きだったのかと思い知らされる。

碧くんはサッカー部の部活が忙しいし、あの綺麗な彼女と仲良くしているだろう。そう思うと減入って、何も手につかないし何もしたくない。

ご飯食べて、ふて寝(ね)しての食っちゃ寝(ね)状態だ。こりゃ太るな。
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