「氷の天才外科医の激甘な課題添削」 冷徹な外科部長は難攻不落の愛し君だけに甘く狂う
凛は背筋を伸ばすと、桐生に向かって深々と、丁寧に頭を下げた。

​「レポート添削、ご指導の数々、確認いたしました。……丁寧かつ真摯なご指導、感謝いたします、桐生副医局長」

​桐生は一瞬だけ、満足そうに微かに口元を弛ませると、何も言わずに回診へ向かって歩き出した。

​(桐生先生……あなたという人は……)

​凛の手の中で、赤字のビッシリ書き込まれたレポートが微かに揺れた。

凛の誇り高き鉄壁の防壁に、今、確かに小さくも決定的な第1の亀裂が走った瞬間だった。

​命をかけた臨床の現場で繰り広げられる、天才外科医と鉄壁の新米ナースの真剣勝負。

その戦いは、まだ始まったばかりだった。

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