「氷の天才外科医の激甘な課題添削」 冷徹な外科部長は難攻不落の愛し君だけに甘く狂う

chapterーー4

​(くっそーっ、どうしてこれほどまでに届かない……!)

​桐生は自宅の高級タワーマンションのリビングに戻り、着ていた上質なジャケットを乱暴にソファへ投げ捨て、ネクタイを緩め頭を抱えていた。

​グラスに注いだ高級なウイスキーも、今夜はまったく喉を通らない。

​地位も、財産も、容姿も、凛の前では何の価値も持たないのだ。

​これまでの人生、桐生が手を伸ばせば届かないものなど何1つなかった。

学会での称賛も、病院内での地位も、周囲からの羨望も。

だが、今1番喉から手が出るほど欲しい「桜井凛の心」だけが、どれほど必死に手を伸ばしても掠めることすらできない。

​凛が求めているのは、甘い誘惑や特別扱いではなく、「医療従事者としての本物」だけなのだ。

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