「氷の天才外科医の激甘な課題添削」 冷徹な外科部長は難攻不落の愛し君だけに甘く狂う

chapterーー5

​数日後の深夜。

嵐の前触れのように、重い曇り空が病院全体を覆っていた。

​凛は深夜勤務に入っていた。

ナースステーションで夜間の定期巡回記録の整理を行っていた。

フロアは静まり返り、モニターの不規則な電子音だけが響いている。

​その時、副医局長室のドアが静かに開き、桐生が出てきた。

白衣を脱ぎ、黒いシャツの袖を捲り上げた姿。

その表情には色濃い疲労の色が浮かんでいたが、眼差しだけは相変わらず鋭く冷やかだった。

​「桐生先生……当直、お疲れ様です。少しはお休みになられましたか?」

​桐生は凛が立ち上がって声をかけると、足を止め、じっと凛を見つめた。

​「……休めるわけがないだろう。ICUの重症患者の経過観察と、明日の緊急オペの術前シミュレーションがある」

​「ですが、先生は昨夜も当直でした。2夜連続の当直など、体力が持ちません。少しでも仮眠を取られてください」

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