蓮華の太陽

蝶とイドー

 辿り着けない、触れたらいけない君は強く格好良くー、イドーが泣くと、其処にいてくれたのが、ゼヲンあんただった。

 蝶ー?見た事が無いと思わせるなあ、あんた。
 嘗て聴いた昔話にある。白い、蒼い、黒い、綺麗だなあ、あんた。朝露がまとわるだけで掻き殺されて仕舞いそうな蝶、花びらに見えて殺されて仕舞うかの様な翼が美しい。
 死にやすいか?尋ねると掻き消えて仕舞いそうだった。昔いた神のお付きに、エンジェルとフロートの二人がいたが、前生が多く蝶だったそうだ。人になったら言う事を訊かず、暴れて殺すチカラがあったそうだ。蝶等が滅法強く、罪にも問われ難いから良いよな。美しいとね、風に吹かれているの。如何生きていきたいの。エデンに咲く二つの花エンジェルとフロートを、手にする神が一人、嘗て全ての美しい人の王とされた神だ。お付きにならない?君は女の子の精霊にしてあげる、そっちは其の依代だ。二つの蝶が姿を変える。手にした時、二度と逢えない世界があると悟った。

 鳥は、大気が遊びたくて現る権現美礼とされる。深く、人くらい殺せるチカラが或るとされる。昔から怖れの対象ともされた。光となりエデンの衛星とされる。

 神が観ていた。花が散っている。分からないか。今は見えない。もう、取り返しの付かない苦しみで、万母に溺れ、違う物になり、総数が兆を超えた為にこの世の神が頽れた。
 分かったよ。ヒトはもう見ないー。
 イドーが頭を上げた。泣いていた。全ての人は、其の全てをお返ししなさいと、大事に扱いなさいと、死ぬから、そう言ったじゃ無いですか!
 イドーの美しいまとめ髪が揺れた。もう、戻れなくしても良いかなー?手には鳥の羽、自らの美しい白い羽根を破り棄て、罪を全ての人に与えたとされる。
 イドーは、全てが赦せなくなった。
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