学校一の爽やか王子は、私にだけ【一途な独占欲】を隠さない。〜お揃いの指輪とヒミツの放課後〜
急いで前を向き、心臓のバクバクを必死に抑えようとするけれど、顔の火照りは全然おさまってくれない。
両手の中に隠したピンクの指輪が、自分の手汗でじんわりと熱くなっているのを感じる。
(最悪だぁ……。変な声出すし、筆箱は落とすし、おもちゃの指輪まで見られちゃうなんて、絶対に怪しい奴って思われたよね……)
自分のドジさに絶望しながら、私は消え入るようなため息をついた。
隣の席のひなたくんは、何事もなかったように席に戻り、静かに前を向いて先生の話を聞いている。
やっぱり、何も気づいていないみたいだ。
ただの「変な落とし物」としか思われなかったんだ。そう自分に言い聞かせて、私は少しだけホッとした。
だけど――。
私のすぐ右隣で、前を向いているはずのひなたくんの左手が、制服のズボンのポケットの上から、何かを『ぎゅっと握りしめている』こと。
そして、彼の耳の付け根が、夕日のせいじゃなく、林檎みたいに真っ赤に染まっていることに。
うつむいていた私は、まだ、これっぽっちも気づいていなかった。
(ひなた視点)
――あいつ、まだ持ってた。
10年前の、お祭りの、あの小さな指輪。
学校のみんなの前だから、必死に『朝陽くん』なんて他人行儀に呼ぶ彼女に合わせて、俺だって心臓がちぎれそうになりながら『星野さん』って呼んだのに。
あんなの、ずるいじゃん。
俺だって、この10年間、1日だって忘れたことないのに。
制服の服の中に隠したチェーンの先で、ブルーの指輪が、俺の熱い鼓動に合わせてトクン、トクンと跳ねていた。
待ってて、りあ。
もう、誰にもお前を渡さないから――。
両手の中に隠したピンクの指輪が、自分の手汗でじんわりと熱くなっているのを感じる。
(最悪だぁ……。変な声出すし、筆箱は落とすし、おもちゃの指輪まで見られちゃうなんて、絶対に怪しい奴って思われたよね……)
自分のドジさに絶望しながら、私は消え入るようなため息をついた。
隣の席のひなたくんは、何事もなかったように席に戻り、静かに前を向いて先生の話を聞いている。
やっぱり、何も気づいていないみたいだ。
ただの「変な落とし物」としか思われなかったんだ。そう自分に言い聞かせて、私は少しだけホッとした。
だけど――。
私のすぐ右隣で、前を向いているはずのひなたくんの左手が、制服のズボンのポケットの上から、何かを『ぎゅっと握りしめている』こと。
そして、彼の耳の付け根が、夕日のせいじゃなく、林檎みたいに真っ赤に染まっていることに。
うつむいていた私は、まだ、これっぽっちも気づいていなかった。
(ひなた視点)
――あいつ、まだ持ってた。
10年前の、お祭りの、あの小さな指輪。
学校のみんなの前だから、必死に『朝陽くん』なんて他人行儀に呼ぶ彼女に合わせて、俺だって心臓がちぎれそうになりながら『星野さん』って呼んだのに。
あんなの、ずるいじゃん。
俺だって、この10年間、1日だって忘れたことないのに。
制服の服の中に隠したチェーンの先で、ブルーの指輪が、俺の熱い鼓動に合わせてトクン、トクンと跳ねていた。
待ってて、りあ。
もう、誰にもお前を渡さないから――。