学校一の爽やか王子は、私にだけ【一途な独占欲】を隠さない。〜お揃いの指輪とヒミツの放課後〜

第3章 完璧なライバルの登場と、届かないため息

「あ、朝陽くん! ちょっといいかな?」

5限目の授業が終わったあとの、短い休み時間。
4組の教室の入口が、急にザワザワと騒がしくなった。
女子たちの視線の先にいたのは、2年生の先輩の中で、学校一の美少女と有名な『秋元先輩』だった。
長い黒髪が綺麗で、モデルさんみたいに大人っぽくて可愛い、誰もが憧れる先輩。

ひなたくんは、秋元先輩に名前を呼ばれると、いつもの爽やかな笑顔で席を立って廊下へと出ていった。

廊下で親しげに話す、ひなたくんと秋元先輩の姿。
2人が並んでいるだけで、まるで少女マンガの1ページみたいにキラキラして見えて、クラスの女子たちも「お似合いすぎる……」「付き合ってたりするのかな?」ってコソコソ噂話をしている。

「……はぁ」

私は自分の机に小さくため息をつきながら、開いたままのノートを見つめた。
放課後の公園では、あんなに甘くて、私の指をパクッてするくらい距離が近かったのに。学校に入った瞬間、ひなたくんはやっぱり遠い遠い『みんなの王子様』に戻ってしまう。

(私とひなたくんは、ただの幼馴染。学校では普通のクラスメイト。……そんなの、自分で言い出したことなのに、なんでこんなに胸がギュッて痛むんだろう……)

秋元先輩みたいな綺麗な人と並ぶひなたくんを見て、私はどうしても、届かないため息を飲み込むことしかできなかった。
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