優しい死神さんと、空気じゃない私
 それからというもの、玲奈は周りへの思いやりを忘れないまま、少しずつ自分の本当の気持ちを伝えられるようになっていった。

 それと同時に、彼女の心の中には、ひとつの大切な事実がはっきりと刻まれていた。

 この街で生まれ、長年この街と自分を見守り続けてくれた、「心優しい死神さん」がいたことを。  

 月の光を浴びたような銀色の髪に、透き通るように白い肌。

 生き物の命を大切にし、事故から子供を救った、少し物静かで温かい青年。

 そんな彼がこの世界に紛れもなく存在していたことを——世界でただ一人、玲奈だけは知っていた。

 そんな彼に「また会いたい」と、強く願ったときのことだった。
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