優しい死神さんと、空気じゃない私

初めまして。

 朝、ゴミ置き場にゴミ袋を置くと、近くのフェンスに止まった一羽のカラスが、じっとこちらを見つめていることに気づいた。

 玲奈が呆然と見つめ返すと、カラスはパタパタと少し飛んで、すぐ近くの壁の上に降り立った。

 玲奈が促されるように歩き出すと、カラスは再び飛び立ち、また少し先で止まることを繰り返す。

 まるで自分をどこかへ導こうとしているかのようなその姿に、玲奈の心の中に「まさか……!」という温かな希望の光が灯った。

 カラスは大きな翼を広げると、ゆっくりと空へ舞い上がった。

 後を追うように駆け出すと、その向かう先があの神社であることに、玲奈は胸を大きく躍らせた。  

 先導する一羽を追うように、他のカラスたちも玲奈を追い抜き、頭上を掠めて羽ばたいていく。

 玲奈はカラスたちに負けまいと、切れる息も忘れて夢中で境内へと走り抜けた。

 神社にたどり着くと、そこには一人の青年を包み込むように、無数のカラスたちが集まっていた。

 玲奈が吸い寄せられるようにゆっくり近づくと、カラスたちは静かに羽を整え、彼女へ道を譲るように整然と間隔を開けていく。
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