冷徹社長はトラウマ秘書を愛で包む
「私のドレスなのに! 横暴すぎます!」
謎の言い争いを始めた二人に、店主が控えめに口を挟む。
「ではセミオーダーはいかがでしょう。既存デザインをベースに、多少のアレンジも可能ですよ。製作期間も短く済みます」
渡りに船とばかりに紀沙はこの提案に飛びついた。
「ぜひ、セミオーダーでお願いします」
「かしこまりました」
店主の嬉しげな返事に、御堂がやれやれと言わんばかりに肩をすくめる。
「楠はわがままだな」
「鏡見て言ってくださいよ」
言い返しながら、ふと紀沙は思い当たった。
(あれ? 私は最初、既製品を買うつもりだったのに、結局ちょっとグレードが上がってない?)
ドア・イン・ザ・フェイスという単語が脳裏をよぎるが努めて無視する。言いくるめられているなんて気のせいだ。気のせい。
必死に言い聞かせていると、店主がドレスのデザインカタログを机に広げた。目に飛びこんでくるのは、裾が花びらのように広がる淡い桃色のドレスや、花柄のレースが幾重にも重ねられた繊細なマーメイドラインドレス。今まで見たことのない華やかさにくらくらする。
御堂は吟味するようにゆっくりページをめくり、さらりと告げた。
「まあいい。何と言おうとウェディングドレスはオーダーメイドにするからな」
「きゅ、急に何を」
謎の言い争いを始めた二人に、店主が控えめに口を挟む。
「ではセミオーダーはいかがでしょう。既存デザインをベースに、多少のアレンジも可能ですよ。製作期間も短く済みます」
渡りに船とばかりに紀沙はこの提案に飛びついた。
「ぜひ、セミオーダーでお願いします」
「かしこまりました」
店主の嬉しげな返事に、御堂がやれやれと言わんばかりに肩をすくめる。
「楠はわがままだな」
「鏡見て言ってくださいよ」
言い返しながら、ふと紀沙は思い当たった。
(あれ? 私は最初、既製品を買うつもりだったのに、結局ちょっとグレードが上がってない?)
ドア・イン・ザ・フェイスという単語が脳裏をよぎるが努めて無視する。言いくるめられているなんて気のせいだ。気のせい。
必死に言い聞かせていると、店主がドレスのデザインカタログを机に広げた。目に飛びこんでくるのは、裾が花びらのように広がる淡い桃色のドレスや、花柄のレースが幾重にも重ねられた繊細なマーメイドラインドレス。今まで見たことのない華やかさにくらくらする。
御堂は吟味するようにゆっくりページをめくり、さらりと告げた。
「まあいい。何と言おうとウェディングドレスはオーダーメイドにするからな」
「きゅ、急に何を」