義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
「ち、違います……私はたぶらかしてなんか……!」

 訴えるようにシーラがキリルを見たが、キリルの黙れと言わんばかりの圧の強い視線に、シーラは圧倒されて黙り込んでしまう。

「第一王子ともあろうお人が、こんな節操のない女に求婚して、国は納得なさるのでしょうか?」
「そのことなら、きちんと調べはついているよ」

 キリルの挑発に、ルリウスはつまらないと言う顔でそっけなく返事をした。

「屋敷で、シーラは両親と姉であるあなたに使用人以下のような厳しい対応を受けていた。毎日、義母義姉に小間使いのようにこき使われ、嫌がらせを受ける。シーラの家の人間は、シーラ以外の使用人たちにも厳しく当たっていたけれど、シーラは誰にでも分け隔てなく接する優しい子だ。そんなシーラを、使用人たちが好意的にみるのは当然だろう。そして、その様子を気に入らないと思った君たち家族は、シーラをこの屋敷へ追いやった」

 ルーリウスは淡々とした口調で話していく。その間も、シーラの肩を優しく掴んだまま離さない。

「それに、シーラの母親が君の父親をたぶらかしたんじゃない。君の父親がシーラの母親をたぶらかして妊娠させたんだ。君の父親が既婚者でしかも子供がいたと知ってシーラの母親は一度身を引こうとしたらしい。それでも、君の父親は執拗にシーラの母親へ迫り、妊娠させた。お腹にシーラがいることがわかり、シーラを生むことを決意したシーラの母親は、君の父親に促されるまま、君たちの住む屋敷へやって来た。シーラもシーラの母親も、むしろ被害者だよ」

 話を聞きながら、シーラの目からぽつり、と涙が零れ落ちた。



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