義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
「さて、邪魔者はこれでいなくなった。そろそろ国へ戻ろう。シーラ、一緒に来てくれるよね?俺は、君を絶対に守って見せるし、絶対に幸せにするよ」

 そう言って、ルリウスはまたシーラの片手の甲にそっと唇を寄せる。

 顔をあげシーラを見つめる瞳には、絶対に来てくれと懇願するような熱い思いが込められていて、シーラは胸が高鳴った。

(……ここにいても、私は幸せになれない。人間の私が、鳥族の国に行って幸せになれるのかどうかわからないけれど……でも、この人の言葉を信じたい。それに、……もう閉じこもったまま、何もしない自分をやめたい。自分で決めてちゃんと進みたい)

 シーラの心の中に、自分の殻を破り前を向いて生きていきたいという願いが生まれ始めていた。

 それは、青い小鳥のルリウスと出会ったことで少しずつ芽生えていた気持ちであり、人の姿のルリウスが現れたことでその気持ちは一気に溢れ出る。

 他国、ましては人間の国ではなく鳥族の国に行くのだ。しかも第一王子の番となるなら、決して楽な道ではないだろう。それでも、シーラの心は不安より希望に満ち溢れていた。何より、ルリウスとずっと一緒にいたいと胸の奥が叫んでいる。

 ルリウスに掴まれた手を小さく握り返して、シーラは目を瞑る。それから小さく深呼吸して、目を開いた。

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