義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
「ここが僕たちの部屋だよ」

 そう言って、ルリウスは部屋のドアを開ける。そこはアンティーク調の家具が置かれたシンプルだが綺麗な部屋だった。部屋の真ん中には天蓋付きの大きなベッドがある。

(二人の部屋って、もしかして寝室?)

 ベッドに驚いていると、クロウリアは部屋の前でお辞儀をしてその場から立ち去って行った。部屋には、ルリウスとシーラの二人きりだ。

「やっと落ち着いて二人きりになれた」

 そう言うと、ルリウスはシーラに抱き着いて顔を寄せる。頬をくっつけながらシーラの顔をハムハムと食みだした。頬、額、鼻先、顔のありとあらゆる場所を優しく食み、嬉しそうに何度も頬を摺り寄せる。

「ルリウス様、くっ、くすぐったいっ」
「ふふ、シーラは可愛いな。はあ、ずっとこうしてくっついていたい」
「ルリウス様、あの、この部屋に私の荷物が見当たらないのだけれど……」

 身をよじりながら、シーラはおもむろに尋ねた。すると、ルリウスはそういえば、と動きを止めてにっこりと微笑む。

「両壁にドアがあるだろう?あっちがシーラの部屋、そしてこっちが俺の執務室だ。この寝室を中間にしてお互いの部屋があるんだよ。さ、シーラの部屋へ行こう」

 そう言ってルリウスはシーラの手を取り、嬉しそうに歩いていく。そして左側の壁にあるドアを開け、隣の部屋へ入っていった。


< 50 / 67 >

この作品をシェア

pagetop