義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
 ルリウスが呼ぶと、さっきまでいなかったはずのクロウリアが突然黒い煙と共に現れる。そして使用人たちの方へ厳しい視線を向けると、使用人たちは青ざめながら頭を下げ、散り散りになっていった。

「まったく、この国の第一王子を陰からこそこそと見ているなんて不敬にもほどがある。どういう教育をしているんだメイド長や執事長は」
「仕方ないよ。きっとさっきの使用人たちは古い考えの派閥の者たちだろう」

 ルリウスがそう言うと、クロウリアは小さくため息をついてシーラを見る。

「これからシーラ様も大変でしょうね。古い考えの凝り固まった連中は口うるさいですから」
「クロウリア。シーラは来たばかりなんだ、あまり怖がらせないでほしい。気にしないでいいよ、シーラ。何があっても俺が君を守って見せるから」

 そう言ってルリウスはにっこりと笑う。ルリウスを心配させないようにとシーラも微笑むが、内心は複雑だった。

(古い考えの派閥……よくわからないけれど、きっと人間の私を良く思わないってことよね。ルリウス様にご迷惑がかからなければいいのだけど)

 かといって、今の自分では何をどうすべきかわからない。とにかく、今はこの国のことをよく知る必要がある。そう思っていると、急にルリウスが立ち止まった。

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