義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
 ルリウスの番と認めてくれない者、人間を好まない者も少なくないこの場所で、これからもシーラは肩身の狭い思いをして生きて行かねばならぬのかと、フルールは悲しさと悔しさの入り混じった感情を持ち合わせていた。

 フルールの問いかけに、シーラは一瞬黙り込むが、すぐにフルールを見て微笑む。

「後悔してないわ。ルリウス様は私をとても大切にしてくださっているし、屋敷にこもってキリルお姉さまに怯えながら暮らすよりも、ずっと幸せよ」

(何もできないと塞ぎ込む自分ではなく、今はちゃんと前を見て自分のために生きて行こうと思えている)

 そしてそう思えるのは、屋敷から連れ出してくれたルリウスのおかげだ。そんなルリウスのためにも、王太子妃として恥じない姿になりたいとシーラは思う。

「あの方たちと同じようなことをしたら、私も同じような人間だということになる。それに、たとえ今は無視されていても、いつか関係性が変わるかもしれないでしょう」

 微笑みながらシーラはそう言って、前を見て歩き出す。

「……お強くなりましたね、シーラ様」

 フルールは嬉しそうにそう言って、シーラの背中を追いかけた。


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