義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
*


「シーラの様子はどうだい?」

 その日の夜。ルリウスの執務室に、マーサは呼ばれていた。質問されたマーサは真顔のまま答える。

「そうですね、今まで一体何をしていたのかと思ってしまうほど出来が悪いです。令嬢としての知識も経験も無さすぎます」
「シーラは表に出させてもらえず、ずっと幽閉されていたようなものだからね。その点は仕方がないと思ってほしい」

 ルリウスが険しい顔でそう言うと、マーサは小さく頷いた。

「それは事前に伺っていましたので考慮しています。あれほどまで知識不足なのは相当なものだったのでしょう。むしろそんな状態から、よくあそこまで粘り強くいられるものだと感心するほどですね」

 そう言って、マーサはほんの少し口角を上げた。それを見て、ルリウスは表情を和らげる。

「その様子だとマーサのお眼鏡にはかなったのかな。それならよかったよ」

 ルリウスは、ふう、と安堵したように息を吐いた。

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