一夜の運命。
「お姉さん帰れないなら、俺と暇潰す?」
「へっ?」
「嫌な事あったなら、酒呑んで忘れようぜ」
「…うん」
「さすがに外は寒いから、場所移ろう。ほら、おいで」


スーツの上着を羽織られて、ゆっくりと立たせてくれた。
ふわっとタバコのに混じった石鹸の香り。

サボン系の香水かな…?あとなんか…


脇に置いてた私の荷物を持ってくれて、左手はがっしり手を繋がれたまま。

どこに向かっているのかわからないし、ギャングだからむしろ身の危険を感じなくちゃいけないのに…連れ去られたいとも思う


石橋叩いても渡らない堅物。のはずなのに…


あ、きっとお酒のせいだ
濃いめにしたから



そんなアホな言い訳を並べて自分を正当化する事しかできない。

ふわふわしてる頭に、少し温度が高い熱がじんわり感じる大きな手。
優しく引っ張られていくのを他人事のように感じながら足を進めた。





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