一夜の運命。
「うん、おいしい」

今日は満月か…。どおりでいつもより明るく感じる訳だ。

さすがに夜は寒いなあ。2月だしなあ。
でも頭がクリアになって気持ちいい。


「ん〜…心地いいねぇ」
「…凍え死ぬぞ」

「…ん?」


夜空から地上に目線を戻すと

白銀色のボサボサ頭。

今日は厚手のコートに黒い手袋で身を包まれてるからタトゥーが見えない。

なんだか懐かしいようなデジャブ…


「…いつも突然現れるね」

足音も聞こえなかった。
「まぁね」なんて口から白い煙を出すヒロさん。
携帯灰皿にタバコをしまうと

スーツケースに目線を向けて

「お姉さんはまた追い出された?」
「…私が悪いみたいじゃん。」
「今回も違うんだ?」
「そもそも追い出されてないですー。帰省から戻ったとこ」
「そっか。寒くないの?」
「寒い」
「えぇ…何してんの」
「風に当たりたくて」
「ふぅん…なら、俺も」

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