一夜の運命。
ゆっくりと、距離ができて
その時初めてキスされた事に気が付いた。


「っ…え、なに…」
「なんとなく、したくなった」
「はぁ…」


あまりにも突然の展開で、思考が追いつかず


「お姉さん可愛いから」
「…ソウデスカ」



…可愛かったら誰でもキスするんかこやつは。

先程のしんみりした空気はどこへやら、いつもの調子に戻ったヒロさん。



「友達の家近い?送るよ」
「歩いて10分のところ」
「夜遅いし、寒いし、行こっか」
「あ、うん」


差し出された手を握ると
ヒロさんは反対の手でスーツケースを持ってくれて帰路につく。



「俺そういえば、お姉さんの連絡先も名前も知らない」
「それでよく、俺んち来る?とか聞けたね」


「言ってくれるじゃねぇか」と少し目を細めていたずらっ子の笑みを浮かべるヒロさん



良かった、いつもの顔だ。
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