ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜
夏凜は溢れそうになる涙を力づくで引っ込め、東堂の差し出した手を迷いなく取った。


「――はい、東堂先輩。喜んでお受けします」


夏凜の高らかな返答が、教室中に響き渡る。



海斗は静かに目を伏せると、二度とこちらを見ることなく背を向けた。


互いに別の相手の手を取り合い、完全に引き裂かれた二人の心。


後夜祭のプロムの幕が、最悪のすれ違いを孕んだまま切って落とされようとしていた。


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