ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜

8-4. 孤立する心

創立記念祭の熱狂が最高潮に達する中、学園の時計塔は静かに夕暮れの六時を刻もうとしていた。


校内中が模擬店の片付けと、今夜のメインイベントである後夜祭プロムの準備でざわめいている。


体育館を改装した大講堂の前には、華やかなフォーマルウェアに身を包んだ生徒たちが集まり、入場を今か今かと待ちわびていた。



中央校舎の渡り廊下の陰、姿見の前に立つ夏凜の指先は、微かに震えていた。


鏡に映るのは、完璧に計算されたプロデュースを施した自分自身の姿。


だが、その胸の内は鉛を呑み込んだように冷たく重かった。


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