ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜
渡り廊下の屋根の下、月明かりが届く石造りのベンチの前で、海斗がゆっくりと立ち止まった。

腕の力を緩め、腫れた右足に負担がかからないよう、壊れ物を扱うような手つきで夏凜をベンチへと腰掛けさせる。

海斗はスラックスのポケットから、先ほど拾い上げた片方の銀色ピンヒールを取り出し、ベンチの脇へと丁寧に揃えて置いた。


ふと、二人の視線が真正面からぶつかり合った。

海斗は立ったまま、夏凜を見下ろすようにわずかに身をかがめる。

綺麗に立ち上げられた黒髪が夜風に揺れ、瞳が、至近距離で夏凜を射抜いていた。

男らしく引き締まった顎のライン、熱を帯びた吐息。


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