ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜
「……夏凜」


名前を呼ばれた瞬間、夏凜の息が止まった。


海斗の吐息が、夏凜の唇のわずか数センチ先を掠めていく。



ドクン、ドクン、と信じられない速さで跳ね上がる互いの心拍数。



夏凜が纏う甘いベリーの香水と、海斗の黒髪から漂う爽やかなシトラスのワックスの香りが、夕暮れの密室で濃密に溶け合っていく。



誰もいない家庭科室。



逃げ場のない甘く張り詰めた空気の中、二人は瞬きすら忘れ、ただ互いの瞳に映る自分を見つめ合っていた。


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