虚無に咲く華
長い時間をかけて洗い終えると、髪は背中のあたりまでの長さになっていた。
雅はシャワーを止め、女の顔を覗き込んだ。
「さっぱりしたでしょう?」
女は濡れた髪を見下ろした。
「じゃあ、少しお湯に浸かろうか」
雅が手を添えると、女はゆっくりと浴槽に足を入れた。
肩まで湯に浸かると、女は目を閉じた。
張りつめていた肩が、ほんの少し下がった。
雅は浴槽のそばに腰を下ろした。
「……気持ちいい?」
女は目を閉じたまま、小さく頷いた。
雅はそれ以上何も聞かなかった。