こっちを、むいて。
1.ノイズ
高校3年生になったオレは現実的に考えて進路を定めた。

家族全員が目を丸くした。

それもそのはず。


「オレ、大学に行く。経営学部。経営学学んでおけば姉ちゃんの店の手助け出来るし、それに町おこしとかにも役立つから」


そんな立派なビジョンを持ってたなんて、と母は目に見えて喜んでいた。

一方で姉は腑に落ちないとでもいいたげな暗い顔をしていた。

とはいえオレの自主性を重んじてくれるから姉を含め、家族はみなオレに何も言ってこなかった。

むしろ母はこれまでギターばかりでろくに勉強をしてこなかった息子がようやく目を覚ましてくれたなんて喜んでいた。

まぁ、世間一般の反応はそうだろう。

オレもまた社会の正しいと定義されているであろうレールに乗ったんだ。

それが…のためになるなら。

オレは、そう、したい。

心からそう思ってる。
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