呉服王子のギャップがメロすぎです!~料理上手な御曹司に胃袋ごと捕まりました~
1.呉服会の王子様

『大きくなったらなにになりたい?』

 そんな質問に、幼い頃の私は決まって『おひめさま』と答えていた。
 きれいなドレスを着て、大きなお城でキラキラした王子様と幸せに暮らすのだ。そう本気で思っていた。

 けれど成長するにつれ、現代社会でそれはあり得ないと悟る。

 ダンスパーティーをするお城はないし、王子様もいない。一般人がドレスを着られるのは、発表会か結婚式くらいだ。

 現実を知ってひとつ大人の階段を上った私の夢は『洋服屋』や『ケーキ屋さん』に変わっていったけれど、物語に出てくるお姫様に憧れる気持ちは変わらなかった。

 そんな私が王子様に惹かれるのは、当然といえば当然だったのかもしれない――。
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