呉服王子のギャップがメロすぎです!~料理上手な御曹司に胃袋ごと捕まりました~
「ごめんごめん。からかおうとしたわけじゃないんだ。けど、結衣があんまりかわいいから」
「かわっ……お世辞を言ってもごまかされませんよ」
顔がさらに赤くなるのを必死にこらえながら、上目遣いに彼を睨んだ。
彼の肩がまだ震えているのに私が気づいていないと思ったら大間違いだ。
「お世辞じゃないんだけどな。まあ、いっか。そんなに怒らないで。はい、お詫び」
目の前に来た箸に自動的に口を開ける。サクッとした衣の後、ふっくらとした身が舌の上でふわりと崩れ、淡泊ながら上品な旨味が広がった。いつの間につけてくれたのか、抹茶塩の香りと塩味が絶妙に合う。
「おいしい……」
「よかった。結衣は食べているところもかわいいね」
「うぐっ」
天ぷらが変なところに入りかけてむせる。
『何度もからかわないでください!』と本気で注意しようと思ったが、柊真さんがあまりにうれしそうな顔をしているので、なんとなく口に出せない。
よく考えたらこんなふうに一緒に食事ができるのはこれが最後だ。明日の朝、病院で治癒の診断が下りたら私は元の生活に戻る。そしたら向かい合って食事をとる機会ももう二度とないだろう。
食べさせてもらうのは恥ずかしいけれど、彼の手料理をふたりで食べるなんて、まるで夢のようなひとときだ。
終わりが近づいているのを思い出した途端、胸がキューッと切なく絞られる。痛みに思わず眉が寄った。
「かわっ……お世辞を言ってもごまかされませんよ」
顔がさらに赤くなるのを必死にこらえながら、上目遣いに彼を睨んだ。
彼の肩がまだ震えているのに私が気づいていないと思ったら大間違いだ。
「お世辞じゃないんだけどな。まあ、いっか。そんなに怒らないで。はい、お詫び」
目の前に来た箸に自動的に口を開ける。サクッとした衣の後、ふっくらとした身が舌の上でふわりと崩れ、淡泊ながら上品な旨味が広がった。いつの間につけてくれたのか、抹茶塩の香りと塩味が絶妙に合う。
「おいしい……」
「よかった。結衣は食べているところもかわいいね」
「うぐっ」
天ぷらが変なところに入りかけてむせる。
『何度もからかわないでください!』と本気で注意しようと思ったが、柊真さんがあまりにうれしそうな顔をしているので、なんとなく口に出せない。
よく考えたらこんなふうに一緒に食事ができるのはこれが最後だ。明日の朝、病院で治癒の診断が下りたら私は元の生活に戻る。そしたら向かい合って食事をとる機会ももう二度とないだろう。
食べさせてもらうのは恥ずかしいけれど、彼の手料理をふたりで食べるなんて、まるで夢のようなひとときだ。
終わりが近づいているのを思い出した途端、胸がキューッと切なく絞られる。痛みに思わず眉が寄った。