呉服王子のギャップがメロすぎです!~料理上手な御曹司に胃袋ごと捕まりました~
バッグの柄を両手でギュッと握りしめ、意を決して顔を上げた。
「許嫁がいるというのは本当ですか?」
「は?」
彼は鳩が豆鉄砲を食ったような顔になった。私が店長から聞いた話を彼に告げると、彼はたちまち渋い顔になった。
「昔から母が娘のようにかわいがってはいるが、家同士で付き合いのある子というだけで許嫁なんかじゃない。きっと母が言い方を間違えて、店長に誤解を与えたんだろう」
真顔で語る彼は、嘘をついているようには見えない。なにより『花桐紋』に誓っていた彼の誠実さを信じたいと思う。
許嫁ではないとわかったけれど、まだ胸の奥でくすぶっているものがある。
「その方は……柊真さんのお料理を食べたことはありますか?」
「え?」
目をしばたたいた彼に、急に恥ずかしくなってきた。
私はいったいなにを言っているんだろう。これじゃ独占欲丸出しじゃないの。
付き合ってもいないのに彼女面をするなんて厚かましいにもほどがある。
「なんでもありません、忘れてください」
「無理」
伸びてきた腕にギュッと抱きしめられた。
「ひゃっ」
「かわいすぎてがまんの限界。結衣はどれだけ俺の忍耐力を試すつもり? ドSなの?」
「違います!」
忍耐力だのドSだのと言われても意味がわからない。こっちは息をするだけで精いっぱいだというのに。白檀の香りに包まれて、今にも心臓が飛び出そうになっている。
「許嫁がいるというのは本当ですか?」
「は?」
彼は鳩が豆鉄砲を食ったような顔になった。私が店長から聞いた話を彼に告げると、彼はたちまち渋い顔になった。
「昔から母が娘のようにかわいがってはいるが、家同士で付き合いのある子というだけで許嫁なんかじゃない。きっと母が言い方を間違えて、店長に誤解を与えたんだろう」
真顔で語る彼は、嘘をついているようには見えない。なにより『花桐紋』に誓っていた彼の誠実さを信じたいと思う。
許嫁ではないとわかったけれど、まだ胸の奥でくすぶっているものがある。
「その方は……柊真さんのお料理を食べたことはありますか?」
「え?」
目をしばたたいた彼に、急に恥ずかしくなってきた。
私はいったいなにを言っているんだろう。これじゃ独占欲丸出しじゃないの。
付き合ってもいないのに彼女面をするなんて厚かましいにもほどがある。
「なんでもありません、忘れてください」
「無理」
伸びてきた腕にギュッと抱きしめられた。
「ひゃっ」
「かわいすぎてがまんの限界。結衣はどれだけ俺の忍耐力を試すつもり? ドSなの?」
「違います!」
忍耐力だのドSだのと言われても意味がわからない。こっちは息をするだけで精いっぱいだというのに。白檀の香りに包まれて、今にも心臓が飛び出そうになっている。