呉服王子のギャップがメロすぎです!~料理上手な御曹司に胃袋ごと捕まりました~
 思わず周りをキョロキョロする。

「大丈夫。俺たち以外誰もいないよ」

 にっこりときれいな笑みを向けられる。

 個室とはいえこんなところで……と思いながらも笑顔の圧に負けて口を開く。鯛が放り込まれた。

「プロに限り料理は譲るけど、こっちは誰にも譲らないから。結衣に食べさせるのは俺だけ。いい?」

 念を押され、『もちろん』という気持ちを込めて大きくうなずいた。

「柊真さんのお料理が一番おいしいです」
「俺には結衣が一番おいしそうに見えるよ」

 ニコニコと笑顔で見つめられ、目をしばたたく。

「おいしそうって……」
「覚悟しておいてってこと」

 彼は隣から上半身をひねるようにして、すばやく私の唇にチュッと音を立てた。あまりの早業に、私は微動だにできない。

 柊真さんはくっきりとした二重まぶたをゆるりと細めた。

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