その溺愛、予想外につき。
壁際にずらりと並んだ衣装ラックには、白や青を基調にしたステージ衣装が何着もかかっている。
ライトに反射して、金の刺繍や飾りがきらきら光っていた。
「わ……」
思わず声が漏れる。
「感動してる場合じゃない」
真白さんにぴしゃりと言われ、私は慌てて口を閉じた。
部屋には衣装担当らしい女性スタッフが二人いて、私を見るなり少し目を丸くした。
「この子が?」
「仮参加の子。急ぎで合わせたいの」
真白さんがそう説明すると、スタッフの一人が私の周りをくるりと一周見た。
「細いわねえ。涼くんより肩幅がない」
その言葉に、ひやりとする。
やっぱり、体格の違いは大きい。
「補正入れるしかないですね」
もう一人のスタッフが、メモを見ながら言った。
その視線は仕事そのものという感じで、変に気をつかわれないのが少し救いだった。
「じゃあまず、サイズ確認から。あっちでインナーに着替えてきて」
示された先には、簡易フィッティング用のカーテンスペース。
私はその前で固まる。
着替え。
そうだ。
当たり前だけど、ここがいちばん難しい。
「どうしたの?」
スタッフさんに不思議そうにされて、私は慌てて首を振った。
「い、いえ……」
頭の中が真っ白になる。
ここでどうしたらいいの。
男の子として着替えなきゃいけないのに、中身はどうしたって女の子だ。
困っていると、真白さんがすぐに察したらしかった。
小さく息をついて、スタッフさんたちに言う。
「この子の着替えは私が見るから、他は少し外して」
「了解です」
さっと人が下がっていく。
その対応の速さに、余計に自分が特別扱いされている気がしてしまう。
真白さんはカーテンのそばまで来ると、低い声で言った。
ライトに反射して、金の刺繍や飾りがきらきら光っていた。
「わ……」
思わず声が漏れる。
「感動してる場合じゃない」
真白さんにぴしゃりと言われ、私は慌てて口を閉じた。
部屋には衣装担当らしい女性スタッフが二人いて、私を見るなり少し目を丸くした。
「この子が?」
「仮参加の子。急ぎで合わせたいの」
真白さんがそう説明すると、スタッフの一人が私の周りをくるりと一周見た。
「細いわねえ。涼くんより肩幅がない」
その言葉に、ひやりとする。
やっぱり、体格の違いは大きい。
「補正入れるしかないですね」
もう一人のスタッフが、メモを見ながら言った。
その視線は仕事そのものという感じで、変に気をつかわれないのが少し救いだった。
「じゃあまず、サイズ確認から。あっちでインナーに着替えてきて」
示された先には、簡易フィッティング用のカーテンスペース。
私はその前で固まる。
着替え。
そうだ。
当たり前だけど、ここがいちばん難しい。
「どうしたの?」
スタッフさんに不思議そうにされて、私は慌てて首を振った。
「い、いえ……」
頭の中が真っ白になる。
ここでどうしたらいいの。
男の子として着替えなきゃいけないのに、中身はどうしたって女の子だ。
困っていると、真白さんがすぐに察したらしかった。
小さく息をついて、スタッフさんたちに言う。
「この子の着替えは私が見るから、他は少し外して」
「了解です」
さっと人が下がっていく。
その対応の速さに、余計に自分が特別扱いされている気がしてしまう。
真白さんはカーテンのそばまで来ると、低い声で言った。