遠き日の君
真っ白い扉を開いたと先には何も無い部屋があった。今日からここで住むのか...そう思うと少し憂鬱だ。1週間前にこの病院の医師である父に勧められて検査をした結果肺がんだったとは。そこまではまだ良かったけれど母に半ば強引に入院させられたことがやるせない。母の愛情とわかっていても残り半年の余生面白おかしく過ごしたいかったのにと思う。肺がんは比較的動ける期間が長いというのだから尚更だ。一方でこれで良かったと思う気持ちもある。ふと見渡すとこちらを見る人が1人、この部屋の同居人だろう。一瞬目が合ったがすぐに目を逸らしていた。その視線はまるで何かを諦めているように見えた。見た目は凄く色白の肌でまるで外に出た事が無いように見える。歳は近そうだ。フィクションなら病室の同居人と仲良く...なんて話もあるそうだが普通は無い。大体の患者は数日から数ヶ月で退院するそんな奴と話そうと思うことは普通無いと思う。特に入院期間の長いやつからしたら入院期間の短いやつに対して関わりたいと思うことは普通は無いのだから。
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