君だけに奏でる愛のカノン〜世界的ピアニストの甘い溺愛〜
私――麻倉花音は、大学時代からの仲良しグループの友人たちに囲まれて「幸せ」を噛み締めていた。
「乾杯!」
「花音〜結婚おめでとう!」
「お幸せに〜!」
「幸せ分けて〜!」
お祝いの言葉のシャワーと友人たちの笑顔が、私の心を温めてくれる。
ここは都内のホテルの一室。
結婚式を一ヶ月後に控えた私を祝おう!とメンバー内で帰国子女の光希が「バチェロレッテ・パーティー」を開こうと提案してくれたから。
赤やオレンジ色に染まる夕陽を眺めながら、泡が光に煌めくシャンパンで乾杯したところだった。
テーブルの上には、チーズやオリーブなど、ピックに刺さったお洒落なおつまみがところ狭しと並べられている。
手をマイクに見立てて、司会役の梓がレポーター風に私に質問する。
「もう間もなく桐生直人さんとご結婚されますね。彼との出会いを教えてください」
「会社の同期で、あちらは営業部に所属しています」
「結婚後は、彼に付いて大阪に行かれるそうですね」
「そうなの。実家は神奈川だし、大学からはずっと東京だったから不安がないわけじゃないけど……直人にとっては栄転だし」
「花音は、仕事を辞めて付いて行くんだよね?」
「そう。私の所属する部署は支店にないし……別の職種を選ぶ話もあったけれど」
「まあ、住むところが変わると最初はいろいろ大変だろうし。仕事については落ち着いたらまた考えればいいんじゃない?」
「うん。悩んだ末に決めたことだけど……今はそう思ってる」
「結婚すると、住む場所も仕事も変わることがあるもんね」
食べものをつまみながら、おしゃべりに花を咲かせる。気心の知れた仲間と過ごす時間は、いつも楽しい。けれど今日は、メンバーの一人――加藤すみれが体調不良で欠席となっていた。
グループの中でも特にすみれと仲良しな私は、最近、彼女との約束が体調不良でドタキャンになることが多いのが気になっていた。
「すみれは、今日も体調不良だってね。さっきLINEがきていたけど、とても残念がってた」
梓の言葉にみんなが頷く。
「そうだね。残念……すみれの体調が治ったら、また会えるといいよね」
私がそう言うと、少ししんみりした雰囲気を一掃するように、光希が笑顔で私を促した。
「さあ、今日が最後の機会よ。思いっきりぶちまけちゃって!」
「みんなには、もう何度も話しているじゃない」
「でも、もう独身生活は終わるのよ。忘れられない男の話は、もう大っぴらにはできなくなるわ」
私には、忘れられない男性がいる。
「乾杯!」
「花音〜結婚おめでとう!」
「お幸せに〜!」
「幸せ分けて〜!」
お祝いの言葉のシャワーと友人たちの笑顔が、私の心を温めてくれる。
ここは都内のホテルの一室。
結婚式を一ヶ月後に控えた私を祝おう!とメンバー内で帰国子女の光希が「バチェロレッテ・パーティー」を開こうと提案してくれたから。
赤やオレンジ色に染まる夕陽を眺めながら、泡が光に煌めくシャンパンで乾杯したところだった。
テーブルの上には、チーズやオリーブなど、ピックに刺さったお洒落なおつまみがところ狭しと並べられている。
手をマイクに見立てて、司会役の梓がレポーター風に私に質問する。
「もう間もなく桐生直人さんとご結婚されますね。彼との出会いを教えてください」
「会社の同期で、あちらは営業部に所属しています」
「結婚後は、彼に付いて大阪に行かれるそうですね」
「そうなの。実家は神奈川だし、大学からはずっと東京だったから不安がないわけじゃないけど……直人にとっては栄転だし」
「花音は、仕事を辞めて付いて行くんだよね?」
「そう。私の所属する部署は支店にないし……別の職種を選ぶ話もあったけれど」
「まあ、住むところが変わると最初はいろいろ大変だろうし。仕事については落ち着いたらまた考えればいいんじゃない?」
「うん。悩んだ末に決めたことだけど……今はそう思ってる」
「結婚すると、住む場所も仕事も変わることがあるもんね」
食べものをつまみながら、おしゃべりに花を咲かせる。気心の知れた仲間と過ごす時間は、いつも楽しい。けれど今日は、メンバーの一人――加藤すみれが体調不良で欠席となっていた。
グループの中でも特にすみれと仲良しな私は、最近、彼女との約束が体調不良でドタキャンになることが多いのが気になっていた。
「すみれは、今日も体調不良だってね。さっきLINEがきていたけど、とても残念がってた」
梓の言葉にみんなが頷く。
「そうだね。残念……すみれの体調が治ったら、また会えるといいよね」
私がそう言うと、少ししんみりした雰囲気を一掃するように、光希が笑顔で私を促した。
「さあ、今日が最後の機会よ。思いっきりぶちまけちゃって!」
「みんなには、もう何度も話しているじゃない」
「でも、もう独身生活は終わるのよ。忘れられない男の話は、もう大っぴらにはできなくなるわ」
私には、忘れられない男性がいる。