『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません

一章

 男爵令嬢リリアーナ・サルバルは、自分の婚約者の頭をかち割ってやりたいと常に思っている。

 道具など使わず、自らの素手で、真っ二つに。
 しかし婚約者はリリアーナが暮らすサリュー国の王太子である。将来国王となる人の頭をかち割ってしまったら、リリアーナは当然死罪、家は取り潰しになり、愛する家族が一家離散してしまう。

「相変わらず辛気臭い顔をしているな。美しい僕の隣にいるというのに。笑顔も作れない欠陥品が。こっちも見なくていいから。なんなら、嘘つきは帰っていいんだぞ」

 酷い言葉をリリアーナにかけてきたのは、近くに座っているその王太子、シルバである。

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