『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません
 (リリアーナSide)

 舞踏会の招待状が届いてから、リリアーナは楽しく目まぐるしい日々を過ごした。

 貴族御用達の仕立て屋がグレイの手配で屋敷にやってきて、生地選びから採寸、小物合わせなどが進められていく。リリアーナの感じたことや好みなど、事細かく聞き気を配ってくれるので感激してしまった。

(城住まいのときは、既製品を渡されるだけだった。それでもありがたかったけど、自分の目で見て選べる経験が嬉しい)

 男爵家に生まれたリリアーナには、贅沢をしたいという気持ちが気薄だった。清貧は悪いことではないけれど、しかし今は有力貴族であるアザール伯爵次男である、グレイの妻だ。

 かなり気を使って身を飾らないと、夫であるグレイに恥をかかせてしまう。リリアーナは素直に義母や義姉、そしてドレスの仕立て屋に意見を聞き、舞踏会のための特別な一着と小物を揃えてもらった。


 
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