『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません
 ──そうして舞踏会当日を迎えた。

 会場となる伯爵の屋敷は、とても大きく立派なものだった。戦争中は舞踏会などの催しは自粛されていたため、これほどの大きな舞踏会には、多くの貴族たちが招待されたようだ。

 屋敷には次々と馬車が到着して、華やかに着飾った貴族たちが下りてくる。そうして顔見知りを見つけると、挨拶を交わしている。そんな姿を馬車から眺めていると、リリアーナの緊張は増すばかりだ。

「ホールで顔見知りに会ったら、君を妻だと紹介するよ。結婚式で会った人間にも会うだろう。大きな舞踏会だから、人が多くて疲れてしまうかもしれない。体調が悪いと感じたら、すぐに俺に言うんだよ」

 そうリリアーナを気遣ってくれるグレイは今日は正服姿だ。普段は下ろしている前髪も上げていて、大人の魅力が爆発している。

「ハイ、ワカリマシタ」

「はは、はじめての舞踏会なら緊張してしまうよな」

(うう……、グレイ様の笑顔が素敵過ぎて直視ができない。緊張の原因は、貴方にもあるんですよ!)
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