『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません
豪華なクリスタルの大きなシャンデリアが連なる、賑やかなで広大なホール。そこでひときわ大勢の貴族に囲まれた伯爵夫妻を見つける。むしろ伯爵の方がこちらを見つけて、夫人を伴ってやってきてくれた。
伯爵夫妻を取り囲んでいた貴族たちがグレイやリリアーナの姿を見て、今度はこちらを囲む勢いで夫妻のあとをついてくる。
「ああ、グレイ! それにリリアーナさん。よくきてくれたね」
「伯爵、お久しぶりです」
グレイと伯爵は面識があり、今回リリアーナに招待状を送ってくれたのは夫人の方だ。年齢はグレイの両親と同じくらいだと、事前に聞いている。
「ご挨拶させていただきます。リリアーナと申します。本日はお招き、ありがとうございます」
夫妻に挨拶をする。すると夫人が、にっこりと笑顔をリリアーナに向けた。
「貴女のお話は、グレイのお母様から聞いているわ。可愛らしいお嫁さんがきてくれたって、喜んでいるわよ。今日は会えて嬉しいわ。舞踏会を楽しんでいってね」
「はい。ありがとうございます」
ホールに楽団が奏でる音楽が流れはじめると、伯爵は二人にダンスを勧めてきた。
「ダンスは自信がないけれど、踊ってくれる?」
悪戯っぽくグレイにダンスに誘われて、リリアーナは笑顔で頷いた。
「私もダンスは先生としか踊ったことがないので、足を踏んでしまったらごめんなさい」