三十三歳、イケメン男子にご飯を奢るのが趣味になりました。
土曜日、待ち合わせ場所でスマホを見ていると、通知が出た。

『着きました。白のトップスに、カーキのパンツです』

時計の近くに、それらしい人がいた。こちらを見た目が止まったので、片手を上げて近づく。

綺麗な人だった。背筋がすっとしていて、立っている姿も目につく。

「真帆さん?」
「うん。蓮くん?」
「そ」

俺を見上げる顔に、少し笑みが浮かんでいた。

「へえ。綺麗な人じゃん」
「ありがとう。蓮くんも格好いいね」
「知ってる」

彼女が声を出して笑った。

「そうだよね」
「そこ、同意するんだ」
「本当のことだもの」

さらっと言われて、俺も笑った。こういう返し方をする人なんだ。

頼まれていた学生証を渡すと、真帆さんは生年月日を確認してから、写真と俺の顔を見比べた。それから、もう一度写真に目を戻す。

「そんなに違う?」
「え?」
「結構まじまじ見てるから」

真帆さんは手元を見て、ようやく気づいたようだった。

「ああ、違うの。証明写真も格好いいなと思って」
「それはどうも」

返されたカードを財布にしまう。

顔が好みなんだろうな、とは思った。会ってみたら気が変わる人もいるし、本当に食事だけで終わるかは、まだわからない。

俺も、この人なら、そのあと誘われても嫌じゃないと思った。
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