三十三歳、イケメン男子にご飯を奢るのが趣味になりました。
真帆さんとのトーク画面を開く。

あの人とはもう会わない、と打って、消した。
それを先に言えば、やめたのだから会ってほしい、という話になりそうだった。

そうじゃない。

映画に誘ってくれて嬉しかった、と言った声を思い出す。
俺が何を言っても、少しずつ遠くなるようで、電話を切りたくなかった。

今度は、顔を見て言いたかった。

『さっき、ちゃんと言えなかったことがある』
『会って話したい。いつなら大丈夫?』

送ってから、スマホを置いた。


返事は翌日の昼に来た。

『来週の日曜なら』
『お茶だけでもいい?』

『もちろん』と返し、駅の近くのカフェで待ち合わせることになった。

店の場所を調べたあと、映画の上映予定も開いてしまった。
でも、来週も、まだやっている。

画面を閉じて、真帆さんとの約束をカレンダーに入れた。
< 67 / 90 >

この作品をシェア

pagetop