三十三歳、イケメン男子にご飯を奢るのが趣味になりました。

番外編 「お腹、すいてない?」

結婚することになったと、友達に連絡をしていたときだった。
ふと、お皿を持って待っている猫のスタンプを思い出した。

あの子、お腹すかせてないかな。

蓮くんと会うようになってから、いつの間にか連絡が途切れていた。スマートフォンで履歴を遡ると、最後にも猫がいた。

あの子がいなかったら、蓮くんとは出会っていない。
それに、「本気になっちゃった?」と聞かれたときのことも、覚えている。あのときは否定したけれど、今なら答えられる。

隣でテレビを見ていた蓮くんに、その話をした。

「だから、久しぶりにご飯に誘ってもいいかな。お礼も言いたくて」

彼はこちらを向いた。

「……二人で?」
「うん。もう、ほかの子と食事に行くつもりはないんだけど、その子にはちゃんと言っておきたいなと思って」

蓮くんは私のスマートフォンを見て、それから顔へ目を戻した。

「わかった」
「ありがとう」
「帰りは迎えに行く」

私は笑いかけたけれど、彼は真面目な顔だった。

「心配だから」
「そんなに心配しなくても」
「するよ」

そう言われると、もう笑えなかった。
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