神崎くんは残念なイケメン
29 エピローグ
「こんにちは。御成婚、おめでとうございます」
結婚式まであと数ヶ月に迫った打ち合わせは、司会の方と初めて会う日だった。
司会の安藤さんは、40歳くらいの女性で、にこやかな営業スマイルで挨拶する。
「この度は、よろしくお願いします」
名刺を私たちに差し出してから、どうぞ、と椅子を示した。私たちは並んで座る。
どういう雰囲気にしたいか、どんな企画をするか、などあれこれ話してから、安藤さんは言った。
「お二人の人となりを紹介するときに、参考にさせていただきますので、ちょっとお聞かせくださいね」
安藤さんは微笑みながら、紙とペンを持って言った。
「学生時代の互いの印象はどうですか?」
問われた隼人くんが、目を輝かせながら言った。
「すごい気の強そうな子だなって」
安藤さんの笑顔がちょっと凍りつく。そりゃそうだよね。そら褒め言葉か?って思うよね。
せめてしっかりしてる、とか、他に言いようもあるんだろうに。
「ええと……香子さんはいかがですか?」
私は苦笑いを引っ込めて、うーん、と宙を仰いだ。
ふと思い出される、隼人くんの色んな顔。不思議な言動。
私は思わず、笑って言った。
「なんていうか……残念なイケメンだなって」
安藤さんの笑顔が、完全に苦笑いに変わったのを見て、私と隼人くんは目を見合わせて笑った。
ーーfin.
結婚式まであと数ヶ月に迫った打ち合わせは、司会の方と初めて会う日だった。
司会の安藤さんは、40歳くらいの女性で、にこやかな営業スマイルで挨拶する。
「この度は、よろしくお願いします」
名刺を私たちに差し出してから、どうぞ、と椅子を示した。私たちは並んで座る。
どういう雰囲気にしたいか、どんな企画をするか、などあれこれ話してから、安藤さんは言った。
「お二人の人となりを紹介するときに、参考にさせていただきますので、ちょっとお聞かせくださいね」
安藤さんは微笑みながら、紙とペンを持って言った。
「学生時代の互いの印象はどうですか?」
問われた隼人くんが、目を輝かせながら言った。
「すごい気の強そうな子だなって」
安藤さんの笑顔がちょっと凍りつく。そりゃそうだよね。そら褒め言葉か?って思うよね。
せめてしっかりしてる、とか、他に言いようもあるんだろうに。
「ええと……香子さんはいかがですか?」
私は苦笑いを引っ込めて、うーん、と宙を仰いだ。
ふと思い出される、隼人くんの色んな顔。不思議な言動。
私は思わず、笑って言った。
「なんていうか……残念なイケメンだなって」
安藤さんの笑顔が、完全に苦笑いに変わったのを見て、私と隼人くんは目を見合わせて笑った。
ーーfin.


