黒蝶 ~誰よりも大切な君~
「光莉」

「はい」

「ここにいる間、お前に危害を加える奴はいない」

冬真は、黒蝶の全員を見渡した。

「光莉に触れるな。怖がらせるな。傷つけるな」

「はいはい、総長命令ね」

迅が肩をすくめる。

玲央は真剣な顔でうなずいた。

「当然だ」

伊織は微笑みながら、静かに告げる。

「光莉ちゃんは、もう黒蝶の仲間だよ」

蓮司も笑った。

「歓迎するぜ、光莉ちゃん」

胸の奥が、じんと熱くなる。

家を追い出されてからずっと、居場所なんてないと思っていた。

けれど今、冬真が隣にいて、黒蝶の4人が自分を受け入れてくれている。

光莉の目から、涙が一粒こぼれ落ちた。

「……ありがとう、ございます」

冬真は黙って、光莉の涙を親指で拭う。
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