ちいさな世界に恋をして、
気が付くと、私はいつも一人だった。
いじめられているわけでも、他人といるのが苦痛なわけでもない。
―――ただ、私は。
友達の恋の行方より、身を寄せ合っている鳥たちが何をしているかが気になって、
体育祭の勝敗より、コンクリートを突き破った雑草の生命力に興味がある。
雨や風の音に耳を傾けている時間が、
楽しそうに歩く人たちを観察している時間が、
街を眺めていることが、なによりも好きだった。
私の人生が変わった日。
あれが、いつの春休みだったのかは定かじゃないけど。
あの日のことは、あの数日間の出来事は。
今でも鮮明に覚えている。