ちいさな世界に恋をして、
お気に入りの探検バッグと、道中に拾った木の枝を持って、いつも通り散策していた。
すると、夕暮れ時。
ふいに視界に入ってきたのは、
「……わっ」
「………」
「………」
土手の下に転がっていた、長い髪の女の人。
ちなみに、"転がっていた"というのは、後に本人から聞いたから判明したことで、発見してすぐは、生きてるのかどうかの判断が出来なかった。
だから、声をかけるべきか無視するべきか、すごく迷った。死んでたらさすがに怖いし。
かと言って、見つけてしまった手前、無視するのも可哀想だと思ったから、
「あの、お姉さん」
手に持っていた木の枝で、横たわっている体を数回突っつく。
「生きてますか」
「………」
「けいさつ、呼びますか?」
「………はっ!?」
何度か声をかけると、勢い良く体を起こして、
「大丈夫、生きてる!」
声を荒げて生存報告をする彼女は、
「警察は呼ばないで!」
「じゃあ救急車、」
「それも呼ばなくていい!!」
「………」
「……でも、きずだらけですよ」
「えっ?」
顔も手も足も、傷付いてないところはないんじゃないかってくらい、あらゆるところから血が滲んでいた。