恋の花火がきえる時。
その日の放課後、ふたりは初めて図書室へ向かった。

 廊下には、部活動の勧誘をする上級生たちの声が響いている。
 校庭からは運動部の掛け声が聞こえ、窓の外では桜の花びらが風に舞っていた。

「中学校って、思ってたより広いね」

「迷うなよ」

「大丈夫。光輝がいるから」

「……おまえは、俺がいないと何もできないのか」

「そんなことないよ」

 理紗は胸を張った。

「一人でもできるもん」

「なら、先に行ってみろ」

「えっ」

「図書室まで」

 理紗は廊下の先を見つめた。

 右へ曲がるのか、階段を下りるのか。
 案内板を見ても、いまいちよく分からない。
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