恋の花火がきえる時。
「はぁ……はぁ……」

 苦しい。

 でも、笑わなきゃ。

「理紗!」

 気づけば、光輝がすぐそばに立っていた。

「大丈夫?」

「うん。ちょっと疲れただけ」

「顔色が悪い」

「走ったからだよ」

「保健室に行くぞ」

 光輝が理紗の腕をつかむ。

「えっ、でも次の人たちが――」

「先生には俺から言う」

「大丈夫だってば!」

 理紗は慌てて手を引いた。

 その瞬間、光輝の表情がわずかに曇る。

「……そうやって、いつも大丈夫って言うな」

「え?」

「本当に大丈夫なやつは、そんな顔しない」

 低い声だった。

 理紗は、どう返せばいいのか分からなくなる。

 病気のことを知られたくない。
 心配をかけたくない。

 だから、いつものように笑った。
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