恋の花火がきえる時。
廊下を歩いていると、光輝が隣に並ぶ。

「おい、待て」

「何?」

「歩くの速い」

「普通だよ」

「いつもは俺の後ろを歩いてる」

「今日は先に帰りたい気分なの」

 光輝は黙った。

 その沈黙が、余計に苦しい。

 どうして何も聞かないの?
 さっきの女の子のこと、説明してくれないの?

 私は自分でも驚くほど、子どもっぽいことを考えていた。

 校門を出たところで、光輝が私の手首をつかんだ。

「理紗」

「……何?」

「怒ってるのか」

「怒ってない」

「じゃあ、拗ねてる?」

「拗ねてない!」

 また声が大きくなった。

 光輝はじっと私を見つめる。

「……さっきの子か」

 心臓が跳ねた。

「えっ」

「校庭で話してた子」

「別に、その子のことなんて……」

「気になるんだな」

「気にならない!」

 否定した瞬間、目の奥が熱くなった。

 どうして、こんなに苦しいの。

 光輝は少し困ったように眉を寄せた。
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