愛してるなんて、噓でしょう?
第四章 27話.白石湊
美月 side
「水瀬さん、ちょっといい?」
カフェのバックヤードで声をかけられ、私は振り返った。
そこに立っていたのは、最近新しく入ったスタッフだった。
白石湊さん。
私より少し年上で、明るく人懐っこい笑顔が印象的な人。
「どうしました?」
「これ、さっき店長から頼まれたんだけど、どこに置けばいい?」
彼が持っていたのは、届いたばかりの商品の箱だった。
「あ、それなら奥の棚です。私も手伝いますね」
「ありがとう。助かる」
二人で箱を運ぶ。
湊さんは仕事を覚えるのが早く、周りへの気配りも上手だった。
「水瀬さんって、いつも頑張ってるよね」
「そんなことないですよ」
「いや、本当に。忙しいときでも周りをよく見てるし」
「湊さんのほうこそ、すごいと思います」
そう返すと、彼は少し照れたように笑った。
「そう言ってもらえると嬉しいな」
その後も仕事をしながら、いろいろな話をした。
好きな食べ物。
休日の過ごし方。
最近読んだ本。
共通の話題も多く、気づけば自然に笑っていた。
「水瀬さんって、話しやすいね」
「そうですか?」
「うん。なんか、もっと話していたくなる」
少し照れくさくなって、私は視線をそらした。
その日の仕事が終わる頃、店の前に見慣れた車が停まった。
「あれ、迎え?」
湊さんが窓の外を見た。
「はい。知り合いが迎えに来てくれているんです」
「そっか。気をつけて帰ってね」
「湊さんも、お疲れさまでした」
店を出ると、蓮さんが車のそばに立っていた。
「美月ちゃん、お疲れさま」
「蓮さん。待たせてしまいましたか?」
「ううん。今来たところ」
蓮さんはいつものように優しく笑った。
けれど、私の後ろにいた湊さんに気づくと、少しだけ視線を向けた。
「そちらの方は?」
「あ、同じ職場の白石湊さんです」
湊さんも店の外に出てきた。
「初めまして。白石です」
「東條です」
二人は短く挨拶を交わした。
「美月さん、また明日ね」
「はい。お疲れさまです」
湊さんが店に戻っていく。
その背中を見送っていると、蓮さんが私の手を取った。
「仲がいいんだね」
「はい。とても話しやすい人なんです」
「そう」
蓮さんは笑っていた。
でも、その声はいつもより少しだけ低かった。
「水瀬さん、ちょっといい?」
カフェのバックヤードで声をかけられ、私は振り返った。
そこに立っていたのは、最近新しく入ったスタッフだった。
白石湊さん。
私より少し年上で、明るく人懐っこい笑顔が印象的な人。
「どうしました?」
「これ、さっき店長から頼まれたんだけど、どこに置けばいい?」
彼が持っていたのは、届いたばかりの商品の箱だった。
「あ、それなら奥の棚です。私も手伝いますね」
「ありがとう。助かる」
二人で箱を運ぶ。
湊さんは仕事を覚えるのが早く、周りへの気配りも上手だった。
「水瀬さんって、いつも頑張ってるよね」
「そんなことないですよ」
「いや、本当に。忙しいときでも周りをよく見てるし」
「湊さんのほうこそ、すごいと思います」
そう返すと、彼は少し照れたように笑った。
「そう言ってもらえると嬉しいな」
その後も仕事をしながら、いろいろな話をした。
好きな食べ物。
休日の過ごし方。
最近読んだ本。
共通の話題も多く、気づけば自然に笑っていた。
「水瀬さんって、話しやすいね」
「そうですか?」
「うん。なんか、もっと話していたくなる」
少し照れくさくなって、私は視線をそらした。
その日の仕事が終わる頃、店の前に見慣れた車が停まった。
「あれ、迎え?」
湊さんが窓の外を見た。
「はい。知り合いが迎えに来てくれているんです」
「そっか。気をつけて帰ってね」
「湊さんも、お疲れさまでした」
店を出ると、蓮さんが車のそばに立っていた。
「美月ちゃん、お疲れさま」
「蓮さん。待たせてしまいましたか?」
「ううん。今来たところ」
蓮さんはいつものように優しく笑った。
けれど、私の後ろにいた湊さんに気づくと、少しだけ視線を向けた。
「そちらの方は?」
「あ、同じ職場の白石湊さんです」
湊さんも店の外に出てきた。
「初めまして。白石です」
「東條です」
二人は短く挨拶を交わした。
「美月さん、また明日ね」
「はい。お疲れさまです」
湊さんが店に戻っていく。
その背中を見送っていると、蓮さんが私の手を取った。
「仲がいいんだね」
「はい。とても話しやすい人なんです」
「そう」
蓮さんは笑っていた。
でも、その声はいつもより少しだけ低かった。