愛してるなんて、噓でしょう?
蓮 side


車に乗り込んだあとも、俺の頭には先ほどの男の顔が残っていた。


白石湊。


美月ちゃんと同じ職場の人間。


それだけなら、何も気にする必要はない。


分かっている。


分かっているのに。

「蓮さん?」

「ん?」

「どうかしました?」

美月ちゃんが不思議そうに俺を見ていた。

「何でもないよ」

そう答えて、彼女の手を握る。


彼女の隣にいる時間を、誰にも渡したくない。


そんな感情が胸の奥に生まれていることに、俺自身が気づいていた。

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