愛してるなんて、噓でしょう?
44話.どうして私が?
美月 side
写真を見てから、数日が経った。
頭の中では、ずっと同じ疑問が繰り返されていた。
どうして、私の父は東條会と関係していたのか。
どうして、蓮と私は出会っていたのか。
そして、どうして十二年前に離れ離れになったのか。
分からないことばかりだった。
カフェで働いていても、ふと考えてしまう。
「美月、大丈夫?」
湊くんが心配そうに声をかけてきた。
「え?」
「最近、少し元気ないから」
「そうかな」
「何か悩み事?」
私は少し迷った。
でも、湊くんに話せることと話せないことがある。
「昔のことを、少し思い出したの」
「昔?」
「うん。ずっと忘れていたこと」
湊くんは無理に聞こうとはしなかった。
「そっか。思い出すのって、嬉しいことばかりじゃないよね」
その言葉に、私は小さく頷いた。
「でも、美月が一人で抱え込む必要はないと思うよ」
「ありがとう」
「俺でよければ、いつでも話を聞くから」
湊くんはいつものように笑った。
その優しさに、少しだけ気持ちが軽くなる。
仕事が終わると、蓮から連絡が届いていた。
『迎えに行く。少し話したい』
私はすぐに返信した。
『分かった』
店の外に出ると、蓮が待っていた。
「お疲れさま」
「蓮さんも、お疲れさま」
蓮は私の顔を見つめた。
「少し疲れている?」
「ううん。大丈夫」
「無理していない?」
「してないよ」
彼は少しだけ困ったように笑った。
「美月は、すぐ大丈夫って言うな」
「蓮さんだって、そうでしょ?」
「……確かに」
二人で小さく笑う。
車に乗り、静かな場所まで移動した。
窓の外には、夜の街が広がっている。
「美月」
「うん」
「この前の写真のことだけど」
私は蓮を見た。
「君のお父さんは、十二年前に東條会の中で起きた問題に関わっていた」
「それは、前にも聞いたね」
「ああ。だが、ただ関係していただけじゃない」
蓮は言葉を選ぶように、少しだけ間を置いた。
「君のお父さんは、何かを知っていた。それを隠そうとしていたわけじゃない。むしろ、誰かに伝えようとしていた可能性がある」
「誰かって?」
「まだ分からない」
私は窓の外を見つめた。
「お父さんは、私を守ろうとしていたのかな」
「……そうだと思う」
「だから、急にいなくなったの?」
蓮は答えなかった。
その沈黙が、苦しかった。
「蓮さん」
「ん?」
「どうして私が、そんなことに関係しているの?」
彼は私を見つめた。
「君自身が何かをしたわけじゃない」
「でも、私の写真が残っていて、お父さんもいて、蓮さんもいて……」
声が少し震える。
「どうして、私だったんだろう」
蓮は私の手を取った。
「美月。君が悪いわけじゃない」
「分かってる。でも、何も知らないままなのは嫌なの」
「……そうだな」
「私も、自分の過去を知りたい」
蓮はしばらく私を見つめたあと、静かに頷いた。
「分かった。もう、君に何も話さずにいるつもりはない」
「本当?」
「ああ。少し時間をくれ。父にも、直接確認する」
その言葉に、私は小さく息を吐いた。
「ありがとう」
蓮は私の手を離さなかった。
「ただ、ひとつ約束してほしい」
「何?」
「何か不安なことがあったら、俺に話してほしい。自分だけで抱え込まないで」
私は彼の目を見た。
「蓮さんもね」
「俺も?」
「蓮さんだって、全部一人で抱え込もうとするから」
蓮は少し驚いたあと、優しく笑った。
「分かった。約束する」
私は彼の肩に、そっと寄りかかった。
今はまだ、何も分からない。
それでも、知りたいと思った。
自分の過去を。
大切な人の過去を。
そして、二人が出会った理由を。
写真を見てから、数日が経った。
頭の中では、ずっと同じ疑問が繰り返されていた。
どうして、私の父は東條会と関係していたのか。
どうして、蓮と私は出会っていたのか。
そして、どうして十二年前に離れ離れになったのか。
分からないことばかりだった。
カフェで働いていても、ふと考えてしまう。
「美月、大丈夫?」
湊くんが心配そうに声をかけてきた。
「え?」
「最近、少し元気ないから」
「そうかな」
「何か悩み事?」
私は少し迷った。
でも、湊くんに話せることと話せないことがある。
「昔のことを、少し思い出したの」
「昔?」
「うん。ずっと忘れていたこと」
湊くんは無理に聞こうとはしなかった。
「そっか。思い出すのって、嬉しいことばかりじゃないよね」
その言葉に、私は小さく頷いた。
「でも、美月が一人で抱え込む必要はないと思うよ」
「ありがとう」
「俺でよければ、いつでも話を聞くから」
湊くんはいつものように笑った。
その優しさに、少しだけ気持ちが軽くなる。
仕事が終わると、蓮から連絡が届いていた。
『迎えに行く。少し話したい』
私はすぐに返信した。
『分かった』
店の外に出ると、蓮が待っていた。
「お疲れさま」
「蓮さんも、お疲れさま」
蓮は私の顔を見つめた。
「少し疲れている?」
「ううん。大丈夫」
「無理していない?」
「してないよ」
彼は少しだけ困ったように笑った。
「美月は、すぐ大丈夫って言うな」
「蓮さんだって、そうでしょ?」
「……確かに」
二人で小さく笑う。
車に乗り、静かな場所まで移動した。
窓の外には、夜の街が広がっている。
「美月」
「うん」
「この前の写真のことだけど」
私は蓮を見た。
「君のお父さんは、十二年前に東條会の中で起きた問題に関わっていた」
「それは、前にも聞いたね」
「ああ。だが、ただ関係していただけじゃない」
蓮は言葉を選ぶように、少しだけ間を置いた。
「君のお父さんは、何かを知っていた。それを隠そうとしていたわけじゃない。むしろ、誰かに伝えようとしていた可能性がある」
「誰かって?」
「まだ分からない」
私は窓の外を見つめた。
「お父さんは、私を守ろうとしていたのかな」
「……そうだと思う」
「だから、急にいなくなったの?」
蓮は答えなかった。
その沈黙が、苦しかった。
「蓮さん」
「ん?」
「どうして私が、そんなことに関係しているの?」
彼は私を見つめた。
「君自身が何かをしたわけじゃない」
「でも、私の写真が残っていて、お父さんもいて、蓮さんもいて……」
声が少し震える。
「どうして、私だったんだろう」
蓮は私の手を取った。
「美月。君が悪いわけじゃない」
「分かってる。でも、何も知らないままなのは嫌なの」
「……そうだな」
「私も、自分の過去を知りたい」
蓮はしばらく私を見つめたあと、静かに頷いた。
「分かった。もう、君に何も話さずにいるつもりはない」
「本当?」
「ああ。少し時間をくれ。父にも、直接確認する」
その言葉に、私は小さく息を吐いた。
「ありがとう」
蓮は私の手を離さなかった。
「ただ、ひとつ約束してほしい」
「何?」
「何か不安なことがあったら、俺に話してほしい。自分だけで抱え込まないで」
私は彼の目を見た。
「蓮さんもね」
「俺も?」
「蓮さんだって、全部一人で抱え込もうとするから」
蓮は少し驚いたあと、優しく笑った。
「分かった。約束する」
私は彼の肩に、そっと寄りかかった。
今はまだ、何も分からない。
それでも、知りたいと思った。
自分の過去を。
大切な人の過去を。
そして、二人が出会った理由を。